定年を迎えても「まだ働きたい」「社会とのつながりを持ち続けたい」と考える60代は増えています。今は年齢にかかわらず働ける環境も広がりつつあり、やりがいを求めて新たな仕事に挑戦するシニア層も少なくありません。
本記事では、60代の転職に関する最新動向や活躍しやすい仕事・職種、成功のポイントや後悔しないための注意点まで詳しく解説します。60代からの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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60代の転職はできる?最新の転職動向
「60代でも転職はできるのか?」と不安に感じている方は多いのではないでしょうか。まずは、現在の転職市場において60代がどのような立場にあるのか、実際に転職している人の割合や、働き方、年収、雇用形態の変化について解説します。
60代で転職する人はどれくらいいる?
近年、高年齢者雇用安定法の改正や定年延長の流れもあり、60代で転職に挑戦する人は確実に増えています。特に、60代前半では再雇用制度終了後のセカンドキャリアとして新しい仕事に就く人が目立ちます。
厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、60~64歳の転職入職率は男性が10.8%、女性が6.1%。また、65歳以上でも男性が6.7%、女性が3.2%となっており、一定数の人々が60代以降も積極的に転職活動を行っていることがわかります(いずれもパートを除く)。男性にいたっては、40~59歳の転職入職率よりも高い傾向です。
さらに、総務省「労働力調査(基本集計)/2024年」によれば、60~64歳の人の就業率は74.3%、65~69歳の就業率は53.6%にのぼっており、60代の半数以上が現役として働き続けている現状がうかがえます。60代で働く人の割合は年々増加傾向にあり、定年退職を迎えた後も働き続けることが一般的になりつつあります。
出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査」、総務省「労働力調査(基本集計)/2024年」
働き方・年収・雇用形態
60代の転職では、フルタイムよりも短時間勤務やシフト制の仕事が多く見られます。年収面では、現役時代よりも下がるケースが一般的ですが、自分の生活スタイルや希望に合わせた働き方を選ぶ人が多くなっています。雇用形態としては、契約社員やパート、業務委託など柔軟な働き方が主流です。これにより、自身の健康状態や家庭の状況に応じて無理なく働ける環境が整ってきています。
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60代が転職を考える主な理由とは?
なぜ60代で転職を考える人が増えているのでしょうか。ここでは、60代が転職を決意する主な理由について解説します。
年金だけでは生活が不安
多くの60代が感じているのが、年金だけでは十分な生活ができないという現実です。特に住宅ローンや子どもの教育費が残っている場合、年金収入に頼るだけでは経済的に不安が残ります。将来の医療費や介護費を見据え、少しでも収入を確保しておきたいという思いから、転職を決意するケースが多いのです。
やりがいを求めて働き続けたい
定年後も「まだまだ働きたい」「社会とつながっていたい」と考える人も多くいます。これまでの経験やスキルを活かした仕事、地域に貢献できる仕事など、やりがいや生きがいを求めて転職に踏み出す人も少なくありません。特に、自分のスキルを誰かの役に立てたいという想いが転職の原動力になるケースも多いです。
職場環境の変化や退職勧奨
60代に突入すると、これまでと同じ業務に就くことが難しくなったり、役職定年や再雇用制度により働き方が変わったりすることもあります。また、企業側の都合で退職を促されることも少なくありません。そうした変化をきっかけに、新たな環境で再スタートを切ることを考える方も増えています。
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60代の転職で直面しやすい課題
60代で転職する人が増えつつあるとは言っても、やはり年齢特有の直面しやすい課題があるのが現実です。求人の少なさや健康面、収入の変化など、現実的なハードルについて解説します。
求人の選択肢が少ない
60代向けの求人は若年層に比べて限られており、選択肢の幅が狭くなる傾向にあります。特に正社員登用を前提とした求人は少なく、体力やスキルの制限によって選べる職種も限られることが多いです。
体力・健康面の不安
年齢を重ねると、どうしても体力の衰えや持病といった健康面の問題が浮上します。長時間労働や肉体的負担の大きい仕事には不安を感じる人も多く、働き方の選択肢を狭める要因になります。これは求職者だけでなく、採用を検討する企業側にとっても懸念材料となることがあります。
収入が下がるリスク
60代の転職では、現役時代と同水準の収入を得ることは難しいのが現実です。厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、60~64歳の転職者のうち約60%が「年収が下がった」と回答しており、65歳以上ではその割合が45%以上にのぼります。収入が大きく下がることで生活レベルを見直す必要が出てきたり、将来設計を再考する必要もあります。
出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査」
新しい環境への適応
新しい職場では、これまでの経験や常識が必ずしも通用しない場面があります。新しい文化や業務フローに柔軟に対応できるかが、転職成功のカギを握ります。
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60代で転職に成功する人の特徴
上記で紹介したような課題がありながらも、60代でも転職を成功させている人には共通点があります。
柔軟に学ぶ姿勢がある
新しい業務に対しても素直に学ぶ姿勢を持ち、自分のやり方に固執しない人は職場に馴染みやすく、転職活動においても評価を得る傾向にあります。年齢に関係なく成長意欲を持つことが大切です。
給与より働きがいを重視
60代で転職を成功させている人の多くは、年収よりもやりがいや職場の人間関係、社会とのつながりを重視しています。自分にとって何が大切かを見極め、納得感のある働き方を選んでいます。
健康維持に努めている
日頃から健康に気を配り、無理なく働ける体力を維持していることも成功のポイントです。規則正しい生活や適度な運動など、日々の積み重ねが仕事を続ける上での土台になります。
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60代の転職でも活躍しやすい仕事・職種
60代で転職を考える際には、自身の体力や経験、働く目的に合わせた仕事選びが重要です。ここでは、60代の転職でも活躍しやすい仕事・職種を紹介します。
企業顧問・コンサル支援
長年のキャリアで培った業界知識や人脈、マネジメント経験を活かせる仕事として、企業顧問やコンサルタントがあります。営業経験がある方や、過去に部長職や役員、経営者といった上層部のポジションにいた経験がある方には特におすすめです。これまでの経験を活かし、企業の課題解決に貢献できるポジションとして、やりがいを感じながら仕事に取り組むことができるでしょう。週数日からの勤務が可能な案件も多く、自分のペースで働ける点も魅力です。
BEYOND AGEでは、企業向けに顧問支援サービスを提供しており、営業経験をお持ちのシニア人材の登録を随時受け付けています。顧問業務が初めての方でも、無料相談を通じて丁寧にサポートいたしますので、安心してご利用いただけます。ぜひお気軽にご相談ください。
また、「いきなり顧問として独立するのは不安…」という方もご安心ください。BEYOND AGEでは、独立準備から実際の案件獲得までを一貫して支援する『独立伴走アカデミー』をご用意しています。初めて顧問やコンサルとして活動する方でも無理なく始められるよう、実践的なノウハウやサポート体制を整えています。自分らしい働き方を実現したい方は、ぜひご活用ください。
マンション管理
マンション管理は、居住者対応や設備点検、清掃などが主な業務となり、地域に根ざして働きたい人には特に向いています。体への負担が比較的少なく、責任感や気配りが求められるこの仕事は、これまでの社会人経験を活かせる場面も多いでしょう。
警備員
比較的年齢制限が緩やかで、60代に人気がある職種です。勤務時間や勤務地を柔軟に選べるケースも多く、夜勤や日勤など自分の生活スタイルに合わせて働けるのが特徴です。責任感や注意力が求められ、特別な資格や経験がなくても始めやすい点がメリットです。
清掃スタッフ
施設やビルの清掃業務も、60代の転職先として根強い人気があります。比較的静かな環境で働けるため、身体への負担も少なめです。丁寧な作業をコツコツ続けられる人に向いており、求人も安定して存在します。
接客業
接客業は、特別な資格がなくても始められる仕事が多く、コミュニケーション能力や丁寧な対応が求められます。飲食店や小売業などでは、年齢よりも人柄や信頼感が重視される傾向があり、人と接することが好きな方に特に向いています。
事務職や軽作業
事務職や軽作業は体力的な負担が少なく、60代でも転職しやすい分野です。パソコンの基本操作ができる方であれば、企業の事務サポートやデータ入力といった業務に対応できるケースも多いでしょう。倉庫内での仕分け作業や商品の検品など、未経験から始められる軽作業も安定した需要があります。
タクシー運転手や配達・宅配
タクシー運転手や、新聞や郵便、ネット通販商品などの配達などの仕事も根強いニーズがあります。もともと運転が好きな方や体を動かすことが好きな方、単独作業が得意な方に向いています。特にタクシー運転手は、勤務時間の自由度が高い点も魅力です。
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60代に合った転職活動の方法
続いて、60代に合った転職活動の方法を紹介します。60代での転職活動は、若年層と同じやり方ではなかなか成果が出にくい場合もあるので、ポイントをおさえておきましょう。
転職サイトを使う
転職活動をする上で、情報収集に役立つのが転職サイトです。特に、シニア向けの求人を取り扱う転職サイトを利用することで、自分の年齢に合った求人情報を効率的に探すことができます。希望条件や勤務地、職種などを絞って検索できるため、情報収集の第一歩として活用しやすい手段です。
転職エージェントを活用する
自力での転職活動に不安がある方には、転職エージェントの利用がおすすめです。特にシニア層に特化したエージェントであれば、年齢に応じたキャリアプランの相談や求人紹介を受けることができます。履歴書の添削や面接対策など、手厚いサポートが受けられる点も魅力です。
シニア層の転職支援に特化した「BEYOND AGE」では、60代の方々の実情に寄り添ったアドバイスと転職支援を行っています。経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの経験や希望を丁寧にヒアリングし、最適な選択肢を一緒に探します。転職の第一歩として、ぜひお気軽にご相談ください。
人脈・紹介を頼る
これまでの職場で築いた人脈や知人からの紹介も、有効な転職ルートです。非公開求人や、企業が公に募集をしていないポジションに繋がることもあり、信頼関係のある紹介は採用側にとっても安心材料となります。
特に、同僚や取引先、業界団体などで信頼関係を築いてきた方であれば、「この人なら任せられる」と感じてもらいやすく、転職活動がスムーズに進むケースも少なくありません。企業側としても、業界に精通した経験者からの紹介には信頼感があり、採用に前向きになる可能性が高いです。
ハローワークで相談する
ハローワークでは、60代向けの職業紹介や再就職支援を行っています。地域の求人情報を得るだけでなく、職業訓練や相談会、セミナーなども利用できるため、初めての転職活動を行う方にとって心強い味方となるでしょう。
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転職に失敗しないために知っておきたい3つの注意点
60代の転職では、選択を誤ると「思っていた仕事と違った」と後悔してしまうこともあります。転職を成功させるために注意すべき3つのポイントを解説します。
焦って職を決めない
定年後の収入不安から、焦って転職先を決めてしまうケースがありますが、自分に合わない職場や仕事を選んでしまうと、早期退職につながりかねません。複数の選択肢を比較しながら、慎重に決断することが大切です。
条件にこだわりすぎない
年収や勤務条件を現役時代と同じ水準にこだわると、選択肢が非常に狭くなってしまいます。自分が本当に譲れない条件を明確にし、優先順位を整理して柔軟に対応することが、満足度の高い転職につながります。
健康・体力とのバランスを考える
年齢を重ねると、体力の低下や健康への影響が仕事に直結しやすくなります。働ける時間や仕事内容が健康状態に見合っているかどうかを見極め、無理のない働き方を選ぶことが継続して働くためのカギとなります。
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60代の転職、よくある質問と不安への答え
最後に、転職活動を進める中で、多くの60代の方が抱える不安や疑問にお答えします。
Q. 年金を受給していても働ける?
年金を受給していても働くことは可能です。実際、60代の多くの方が年金に加えた収入を求めて働き続けています。ただし、「在職老齢年金制度」によって、一定以上の収入がある場合には年金の一部が減額される可能性があるため注意が必要です。年金と収入のバランスを見ながら、自分に合った働き方を選びましょう。
Q. 60代でも正社員になれる?
60代でも正社員として採用されるケースはありますが、職種や業界によって非常に限られています。専門的なスキルや長年の経験を持っている方であれば、正社員としての道も開ける可能性がありますが、契約社員やパート、業務委託といった柔軟な働き方も視野に入れることで、より現実的な選択ができます。
Q. 未経験の仕事でも大丈夫?
未経験でも就業可能な仕事はありますが、若年層と比べると競争は激しくなります。ただし、意欲やコミュニケーション能力、人柄などが評価される職場も多いため、自分の強みをしっかりとアピールすることが重要です。
Q. 仕事が見つからないときはどうすればいい?
すぐに希望の仕事が見つからない場合でも、焦らず活動を継続することが大切です。転職エージェントや知り合い、ハローワークの相談窓口など複数のルートを活用し、情報収集を怠らないようにしましょう。自身の希望条件の見直しも一つの手段です。
「BEYOND AGE」では、シニア世代の転職支援に特化したキャリアアドバイザーが、あなたの経験や希望をもとに丁寧にサポートいたします。ご自身に合った働き方を一緒に見つけていくためにも、まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
60代での転職は、若い世代とは違った難しさもありますが、自分に合った働き方や仕事を見つけることで、充実したセカンドキャリアを築くことは十分に可能です。健康や働き方、年金など、考慮すべき要素は多いものの、これまで培ってきた経験や人脈を活かせる場はまだまだあります。柔軟な姿勢で情報収集を行い、自分にできること・やりたいことを見極めていきましょう。
もし「仕事がなかなか見つからない」「自分に何が向いているかわからない」と感じたら、一人で悩まずに専門家に相談するのも大切な選択肢です。シニア世代の転職支援に特化した「BEYOND AGE」では、60代の転職に理解のあるキャリアアドバイザーが、一人ひとりに寄り添いながら丁寧にサポートいたします。今後の働き方に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。