欧米諸国の50代・60代は今後のキャリアをどう考えているのか

「50代・60代を迎えた今、自分のキャリアをどう考えるべきか」そんな問いを抱える方も多いのではないでしょうか。日本では定年や再雇用が一般的ですが、欧米では年齢にとらわれない柔軟な働き方が広がっています。

本記事では、50〜60代の人々がどのようにキャリアを築き、何を大切にして働いているのかを、最新の調査データをもとに紹介します。

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米国・EUでも50〜60代以降は現役で働き続ける人が少なくない

日本では60歳前後で定年を迎えるのが一般的ですが、欧米諸国では年齢にとらわれない働き方が浸透しています。

たとえば、アメリカやEUでは年齢そのものを理由に解雇・退職を強要することは原則として違法(安全職種や法定定年など一部例外は残る)とされており、50〜60代になっても現役で働き続ける人が少なくありません。

米国の調査機関であるPew Research Centerの報告によると、2023年時点で65歳以上のアメリカ人の約19%が就業しており、これは1987年の11%から大きく増加しています。また就業している65歳以上のうち約62%がフルタイム(週35時間以上)というデータもあります。

参考:

Investopedia “Forced Retirement: Definition, Causes, and Impact”

Pew Research Center “Older Workers Are Growing in Number – and Earning Higher Wages”

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米国においてシニア就労が浸透する背景と残る課題

65歳以上の労働者の就業率が高まっている背景には、柔軟な働き方や、これまでの経験を活かせる環境の存在があります。

Pew Research Centerの報告によると、米国では65歳以上の労働者の時給は1987年の13ドルから2022年には22ドルに上昇しており、若年層との賃金格差も縮まっています。

社会貢献や生きがいを求めて働き続ける人も多く、健康寿命の延伸や年金制度の変更といった社会的要因も関係していると考えられます。

一方で、米国でもシニア層は年齢差別(エイジズム)やテクノロジーの進化によるスキルの陳腐化といった課題にも直面しています。

米国の非営利団体AARP(全米退職者協会)の調査によれば、50歳以上の労働者の74%が「年齢が採用の壁になる」と感じ、64%が職場で年齢差別を経験または見聞きしたと報告しています。さらに、34%がAIなどの技術進化による雇用への影響を懸念していると回答しています。

参考:

Pew Research Center “Older Workers Are Growing in Number and Earning Higher Wages”

AARP “New AARP Survey Shows a Sharp Increase in the Number of Older Americans Seeking a Job Change”

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米国の50代からのキャリア再挑戦に対する考え方

米国では50代以降の人々が再就職や転職に積極的に取り組む姿が一般的になりつつあります。AARPの2025年の調査によれば、50歳以上の24%が「今年中に仕事を変えたい」と考えており、前年の14%から増えています。

その理由としては「収入を増やしたい」といった経済的動機だけでなく、「社会に貢献できる仕事をしたい」「柔軟な働き方を求めたい」といった価値観の変化も挙げられます。

実際、転職を希望する人のうち40%が新しい職を探し、16%は起業を計画しているという結果が出ています。

一方で、再就職には不安を抱える人も多く、84%が「転職には何らかの支援が必要」と感じていることが明らかになっています。特に、「これまでのスキルをどう活かすか」が最大の課題とされており、履歴書の更新や面接準備、給与交渉といった実務面でのサポートが求められています。​

参考:

AARP “New AARP Survey Shows a Sharp Increase in the Number of Older Americans Seeking a Job Change”

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リスキリング(学び直し)でスキルを更新

技術革新が進むなか、50〜60代の労働者にとってリスキリング(学び直し)は重要な手段となっています。欧州労働条件調査によれば、55歳以上の労働者は他世代と比べて研修を受ける機会が少なく、71%がキャリアアップの見通しに不安を抱いています。

背景には、企業側の投資の消極性やシニア層の変化への抵抗感もありますが、パンデミックをきっかけにオンライン学習の機会が増え、自己主導で学び直す人も増加しています。欧米では、ITスキルやマネジメントなどの研修プログラムへの50代の参加も進みつつあります。

また、スキルを新しい仕事にどう応用するかに不安を感じる人が多いことから、キャリアコーチングやメンター制度の活用も広がっています。

参考:

AGE Platform Europe “EU Survey Highlights Lower Prospects for Career Advancement for Older Workers”
Carrier Management “Nearly a Quarter of Americans 50 and Older Seek Job Change: Survey”

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起業・フリーランスという選択肢

起業やフリーランスとして働くシニアも欧米では増えています。Pew Research Centerの調査によると、アメリカでは65歳以上の労働者の約23%が自営業者であり、25〜64歳の約10%と比べて倍以上の割合です。

AARPの調査でも、「今後自分で事業を始めたい」と考える50代以上は16%にのぼり、前年の9%から大きく増加しています。コンサル業、趣味を活かした小ビジネス、社会課題に取り組むNPO設立など、選択肢は多彩です。

資金面では自己資金や退職金に加え、クラウドファンディングやエンジェル投資家の活用も広がっています。企業と業務契約を結んで自由な働き方をする人も多く、「これまでの経験を集大成として形にしたい」という思いが原動力となっています。

参考:

Pew Research Center “Older Workers Are Growing in Number – and Earning Higher Wages”

Carrier Management “Nearly a Quarter of Americans 50 and Older Seek Job Change: Survey”

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副業・パートタイムで緩やかなキャリア継続

フルタイムにこだわらず、副業やパートタイムで働くスタイルも定着しています。Pew Research Centerの報告では、定年後に働く短時間労働は「ブリッジジョブ(つなぎの仕事)」とされ、生活費の補填と社会参加の両立を図る手段として一般的です。

実際、働いている高齢者のうち45%が自分のことを「引退している」と考えているにもかかわらず、実際には何らかの仕事を続けています。趣味や得意分野を活かした副業に取り組む人も多く、収入よりも「自分らしい働き方」「社会とのつながり」を重視する傾向が見られます。


参考:

Pew Research Center “Older Workers Are Growing in Number – and Earning Higher Wages”

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50代のキャリアは今後どうしていくべきか?

欧米の事例から見えてくるのは、「キャリアは50代・60代からでも新たに選び直せる」という事実です。定年制度にとらわれず、自分の希望やライフスタイルに応じて働き方を柔軟に選ぶ姿が広がっています。

たとえば、再就職して新たな仕事に挑戦する人、学び直しでスキルを磨く人、起業で理想の働き方を実現する人、在宅勤務や短時間勤務で暮らしとのバランスを取る人、副業やパートタイムで自分らしく働く人など、多くの人が「人生100年時代」を見据えて、自分なりのキャリアの形を描いています。

日本でも、定年延長や再雇用制度が少しずつ整ってきており、50代からのキャリアデザインがこれまで以上に重要になってきました。収入とやりがいのバランスを考えながら、自分に合った働き方を模索することが、これからの人生をより豊かにしてくれるはずです。

これまでに積み上げてきた経験や知識は、間違いなく大きな強みです。必要であれば、新しいことにも挑戦し、年齢を理由にあきらめない姿勢が求められます。欧米の先行事例が教えてくれるのは、「キャリアの終わり」ではなく、「新たな黄金期」が50代・60代にも待っているということです。

肩の力を抜いて、自分のペースで、これからのキャリアを楽しみながら築いていきましょう。

 

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