50代以降は経験豊富な年代といえますが、職務経歴書を通じて積み重ねた経験や実績をうまく伝えるためには、どのような工夫をすれば良いのでしょうか。
職務経歴書は転職活動で重要視される書類のため、読みやすく、かつ自分をアピールできる書き方をする必要があります。
この記事では、50代以降の方が転職を成功させるために、おさえておきたい職務経歴書の書き方やポイントを紹介します。
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職務経歴書と履歴書の違い

職務経歴書と履歴書は、どちらも転職時に欠かせない書類です。二つの書類の役割は異なるため、書類ごとの目的を理解して、書き分けることが大切です。
履歴書の主な役割と内容
履歴書は、名前や住所、学歴や保有資格など、応募者の基本的な情報を伝える書類です。主な記載内容は以下です。
- 名前
- 住所
- 学歴
- 職歴
- 保有資格
- 趣味や特技
- 通勤時間
履歴書は、厚生労働省が一般的な様式を定めているため、アルバイトやパートの採用から就職・転職活動まで、ほぼ同じフォーマットのものが一般的です。
職務経歴書の主な役割と内容
職務経歴書は、職業に関する経験を記載し、自分の経験やスキル・実績を伝えるための書類です。転職時には、この書類が重要視されるため、工夫して書く必要があります。職務経歴書に書く内容は、主に以下の3点です。
- 今まで携わった業務や実績
- 応募先の業務で活かせる強み
- 志望動機
具体的な実績や仕事でのエピソードを書くことで、採用担当者が自社でも能力を活かせるかどうか判断をしやすくなります。
職務経歴書は、履歴書のように決まった形式はありませんが、大きく分けて「編年体式」と「キャリア式」の2つがあります。
編年体式
編年体式は、時系列に沿って経歴をまとめる方法です。社会人になってから今まで(または現在から過去まで)、どんな仕事を経験し、どのような力を身につけて実績を上げてきたのかを記載します。
時系列で記載している履歴書と照らし合わせて読むことができるため、採用担当者が見やすい形式ともいえます。編年体式の主なメリットは以下です。
- 過去から現在まで(または現在から過去まで)の経緯がわかりやすいこと
- 一貫して同じ業界や同じ業種で経験を積んできた場合、成長過程が伝わりやすいこと
それに対して、編年体式のデメリットは以下のようなものがあります。
- 転職するなどして経験してきた業種・職種が多い場合は、キャリアの一貫性がないと判断されてしまうリスクがあること
- 力を入れてアピールしたい経験や実績を目立たせられないこと
同じ業界や業種で仕事をしてきた人は、編年体式がアピールしやすい形式といえます。
キャリア形式
キャリア形式とは、職務経験を分野別にまとめる形式です。経験した業務やプロジェクトの内容ごとに経歴をまとめるため、得意分野やアピールしたいスキルが伝わりやすくなります。
キャリア形式の職務経歴書が適した人は以下の通りです。
- 転職回数が多い人
- 特定のスキルや経験・実績を強調したい人
- 応募先企業に有利な経歴を持っていたり、応募先企業のニーズに適したスキルがある人
転職回数が多い人や、仕事の専門性やスキルを掘り下げて伝えたい人、応募先に応じてアピールするスキルを柔軟に変えたい人は、キャリア形式の職務経歴書がおすすめです。
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50代以降の転職で職務経歴書の書く際のポイント

職務経歴書は採用担当者が、自社が求めている能力があるかを判断する書類のため、スキルや実績を効果的にアピールする必要があります。ここでは、選考を有利に進めるための作成ポイントについて紹介します。
職務経歴書は「逆時系列で書く」
50代以降の職務経歴書作成において、最も重要なポイントは逆時系列で記載することです。長年のキャリアを持つ50代以降の方々にとって、数十年前のスキルや経験は現在の職場環境では古くなっていると捉えられる可能性があります。
例えば、20年前に企画職を経験し、直近10年間は営業職に従事している場合、企業の採用担当者は営業職をその人の職種とみなすケースが多いのです。
そのため、新卒入社の経歴よりも、直近のキャリアから記載することで採用担当者にとっても読みやすい職務経歴書になるのです。
企業が求める人材を理解する
転職活動の際には、企業がどのような人材を求めているかを把握し、その希望に合う人材であることをアピールすることが必要です。
企業が欲しいと考える人材のスキルや能力、経験を把握していないと、職務経歴書で検討違いのことをアピールしてしまうことになるため、良い結果につながりません。
応募先企業の研究を入念におこない、採用担当者が「どのような人材を求めているのか」をイメージしながら書くようにしましょう。
自分の強みを分析して書く
自分の強みを分析し、どの分野でスキルや強みを持っていて、それをどのように応募先の仕事に活かせるかを書きましょう。
「そのスキルを活かしてどのように企業に利益を生み出してきたか」をエピソードを交えて書くことで、採用担当者が「今までと同じように、自社でも経験を活かして貢献してくれるかどうか」を想像しやすくなります。
ただ、「表彰された」や「部長として長年勤めた」というような、組織内の話は評価されづらい傾向があります。結果だけでなく「どのように取り組んできて、どのような結果が出たか」を定量的に書いた方が、採用担当者もイメージがわきやすく、高評価につながります。
また、多様なスキルや経験がある人は、応募先企業や職歴などに合わせてアピールする部分を選びましょう。
職務経歴書は適度な長さが好ましく、長すぎても伝わりづらいため、応募先にあわせて書く内容を取捨選択することも大切です。
応募先の仕事にあわせて内容を編集する
過去に積み重ねてきた能力やスキル・経験を活かして、転職先の会社で何をしたいか、どのように貢献していきたいかを具体的にアピールしましょう。
職務経歴書だけでは、熱意を100%伝え切ることはできません。面接で直接意欲や熱意を伝えるためにも、応募先の企業について入念に調べ、どのような部分で貢献できるかを伝えることで、良い印象を与えることができます。
例えば、ソフトウェア企業に応募する場合は、
「前職では5年間、法人向けソフトウェア営業として働き、年間売上目標を3年連続で120%達成しました。この経験を活かし、貴社の主力製品である在庫管理システムの販売拡大に貢献したいと考えています。」
と前職の経験と応募先の事業内容を紐付けながらアピールするようにしましょう。
クリエイト転職が行った調査では、履歴書や職務経歴書を書く際に『最も面倒だと感じる項目』として、自己PRが最も多い結果となりました。自己PRは考えるのに時間や工数がかかるものの、職務経歴書の中でも特に重要な要素ですので、丁寧に作成することをお勧めします。
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職務経歴書を書く際の注意点

採用担当者は多くの職務経歴書に目を通します。基本的なところで不利にならないために、気を付けるべき点について紹介します。
膨大な量の職務経歴書を作らず、要点を絞る
職務経歴書作成の際には、採用担当者の視点を意識することが重要です。
採用担当者は多忙であり、すべての職務経歴書の細部まで読む時間がないことを理解しておく必要があります。
そのため、応募先にとって最も魅力的で関連性の高い情報を簡潔にまとめましょう。採用側にとって何が価値があるかを考え、それに沿った内容を強調することで、印象に残る職務経歴書を作成できます。
誤字脱字や誤変換に注意
履歴書や職務経歴書では、誤字脱字に注意しましょう。また、パソコンで作成する場合は、誤変換にも注意が必要です。
せっかく作成した職務経歴書でも誤字などが含まれていると、それだけでも印象が悪くなってしまいます。作成した後に、しっかりと読み返し、間違いがないかをチェックするようにしましょう。
表記を統一し、空欄を残さない
履歴書や職務経歴書では、年号は和暦・西暦どちらかに統一して書くようにしましょう。また、会社名も基本的に略さず、正式名称で書くようにします。
趣味の欄など、何を書くか迷った際も空欄を残さないように気を付けましょう。
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50代以降向け職務経歴書のテンプレート
BEYOND AGEでは50代以降の転職向けに職務経歴書のテンプレートと書き方に関するガイダンスを配信しています。
これから転職活動をされる方はぜひ活用してみてください。
