「50代以降の転職は厳しいから、独立することを検討している」
「50代以降はフリーランスになれるのか?」
「そもそも個人事業主とフリーランスの違いって?」
最近メディアでもよく耳にする「フリーランス」ですが、50代以降でもフリーランスとして働くことは可能なのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
今回は50代以降のフリーランスの働き方について解説します。またシニア独立100万人では実際に独立している方の事例集も公開しているので、そちらもあわせてご覧ください。
フリーランスは「働き方」、個人事業主は「税法上の区分の名称」
まず、フリーランスと個人事業主の言葉の定義が混同している方もいらっしゃるでしょう。フリーランスは、特定の会社や団体に属さずに業務を行う「働き方」を指す言葉です。つまり、フリーランスは会社に雇用されるのではなく、独立してさまざまな顧客から仕事を受けて働く人のことです。
一方で、個人事業主は税法上の区分を意味する言葉です。個人事業主は、自分で事業を継続して行う個人のことであり、税務署に「開業届」を提出することでその地位が確定します。
これにより、税務上の特典である青色申告を利用することができます。青色申告では特別控除や経費の優遇などのメリットがあります。
会社から独立して開業届を提出し、個人事業主になった後でも、特定の会社に属さずに働いている場合、その働き方に基づいて「フリーランス」と呼ばれることがあります。
50代でフリーランスを目指す際の職種は?
弊社が実施した「シニア独立白書」調査によると、独立後の職種で最も多いのは、人材、コンサルティング、そして教育分野でした。初期投資を必要とせず、これまでのスキルや経験を活かせる職種で独立する方が多いと考えられます。
少子高齢化により労働人口が不足する中、シニア世代も長く働くことが求められる「人生100年時代」が到来し、シニアの独立・起業がますます重要な選択肢となっています。 シニア層が独立を決意するきっかけや独立に向けて行った準備、独立後の状況[…]
独立起業には多額の初期投資が必要と思われがちです。しかし、同調査によれば、実際には約60%の人が500万円未満の自己資金でスタートしています。必ずしも大規模な投資は不可欠ではないのです。
50代以降でフリーランスになることを検討する方の中には、学生の子どもがいたり、住宅ローンが残っている場合もあるでしょう。
大きなリスクをとって大胆な挑戦をするのも一つの選択肢ですが、リスクを抑えつつ、初期投資を抑えながらフリーランスになる選択肢も検討しましょう。
フリーランスになるための具体的な準備については、後ほど詳しく解説します。
50代でフリーランスになることのメリットは?
フリーランスになった後の姿を想像できない方も多くいらっしゃるでしょう。「シニア独立白書」によれば、独立した9割の方が「独立してよかった」と回答しています。50代以降、フリーランスとして独立することで、どのようなメリットがあるのかについて解説します。
年齢に縛られない働き方を実現できる
多くの方が実感しているように、50代以降の転職活動では年齢が大きな壁となることがあります。
また、企業で働いていると、年齢に応じて役職や給与が変動することがあります。このように年を重ねるにつれ、キャリアにおいて様々な課題に直面することが多くなります。
しかし、フリーランスとして働くことで、年齢ではなくスキルや能力で評価されるため、年齢による制約から解放されます。さらに、一つの会社に縛られず、自分の時間が許す限り複数の企業と契約することができるため、年齢による収入の減少を避けることもできます。
自分の裁量で自由に働くことができる
フリーランスの働き方は、全て自分次第で決まります。努力すればするほど成果が上がり、仕事の進め方、働く場所や時間も全て自分で決めることができます。この自由さこそが、フリーランスの最大の魅力と言えるでしょう。
しかし、自由である分、積極的に動かないと案件を得られないというリスクもあります。自分の意志で仕事をコントロールできる一方で、仕事を維持し続けるためにも、行動し続ける必要があります。
やりがいを感じることができる
50代以降のキャリアで、多くの人が転機を迎えます。役職定年や再雇用により仕事内容が変わり、これまでの張り合いを失うことがあります。そんな中、新たな挑戦としてフリーランスの道を選ぶ人が増えています。
フリーランスの魅力は、仕事の全てを自分で決められることです。この自由が、仕事へのやりがいを高める大きな要因となっています。実際、「シニア独立白書」の調査でも、独立の最大の理由として「やりがいを求めていたため」と回答した方が最も多い結果となりました。
今の仕事に物足りなさを感じている場合、フリーランスという選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。自分らしい働き方で、新たなやりがいを見出せる可能性があります。
50代でフリーランスに踏み切れない理由とは
一方、フリーランスとして独立することに踏み切れない方がいるのも事実です。以下では独立に踏み切れない主な理由について、「シニア独立白書」の調査結果をもとに解説します。
安定した収入を失うリスクがあるため
会社員からフリーランスへの転身は、収入面で大きな変化をもたらします。例えば固定給がなくなり、自ら獲得した仕事からの収入が全てになります。
しかし、このリスクは同時にチャンスでもあります。営業活動をしっかりと行い、複数の企業から案件を受注することで、会社員時代を上回る収入を得られる可能性も十分にあります。
仕事が見つからない不安
フリーランスとして独立する際に、そもそも仕事が見つかるのかという不安を感じる人も少なくありません。会社員時代には、会社が仕事を用意してくれていたため、自ら仕事を「見つける」という経験がない方も多いでしょう。
そのため、独立後にどのように仕事を探すのかがわからず、なかなか踏み出せない方が多くいらっしゃいます。
自分の経験では独立できないという自信のなさ
自分の経験が本当に独立に役立つのか懐疑的になる方は少なくありません。社内で周囲の人々が独立起業していない環境にいると、自分も同じ立場にあるため、独立の可能性を想像するのが難しくなります。
そのため、独立への不安がより一層強くなってしまいがちです。このように、自分の市場価値を低く見積もってしまい、独立に踏み出せない方がいるのも事実です。
ただし、社外の人々との交流を広げていくと、自分のスキルが予想以上に求められていることに気づくケースが少なくありません。
50代でフリーランスになるための準備
50代でフリーランスになるためにはどのような準備が必要かについて以下で解説します。
人脈の形成
どれだけ高いスキルを持っていても、人脈がなければ仕事を獲得するのは難しいです。特に、フリーランスとして仕事を安定して得るためには、人脈が非常に重要です。
しかし、人脈は一朝一夕で作れるものではなく、日々の活動を通じて中長期的に築かれていくものです。そのため、将来的に独立を考えている方は、早い段階から人脈作りに取り組む必要があります。今からでも積極的に動き出し、信頼できる関係を築くことが独立成功への鍵となります。
自分の強みを分析し、事業内容を決める
これまでの経験や自分の強みを活かした職種や事業内容で独立することが大切です。専門外や未経験の分野でチャレンジする方が一定数いますが、成功の確率は低くなります。
やりたいことを優先するよりも、まずは自分が得意とすることに集中し、安定した収入を確保することが重要です。その後、時間と余裕ができてから、自分の好きなことに挑戦する方が、より現実的かつ成功しやすいでしょう。
副業サイトに登録
いきなりフリーランスとして独立するのは、多くの人にとってハードルが高いのも事実です。そのため、まずは副業サイトに登録し、自分が提供できるスキルを公開してみましょう。
これにより、市場で求められているスキルを確認できます。また、副業として実際に仕事を始めてみることで、経験を積みながら、その仕事を徐々に拡充し、フリーランスとしての独立準備を進めることができます。段階的にフリーランスへの移行を目指すことで、よりスムーズに独立への道を開くことができるでしょう。
50代でフリーランスになる際の注意点
50代でフリーランスとして独立するために知っておきたい注意点についても解説します。
独立後、半年ほどは案件が取れないことを覚悟する
すぐに案件が見つかるケースもありますが、実際には6ヶ月ほどかかることも少なくありません。そのため、「最初の6ヶ月間は仕事が見つからないかもしれない」という覚悟を持つことが重要です。しかし、顧客獲得のために行動を続ければ、徐々に結果が出てきます。諦めずに地道に努力を続けることが、成功へのカギとなるでしょう。
50歳以降で起業するときは、誰しも不安を感じますが、それをどのように乗り越えて成功につなげているのでしょうか。長年A国の銀行で働き、帰国後起業をしたKさんに、50歳で起業にチャレンジした理由や直面した問題、それをどう乗り越えたのかなどにつ[…]
資格取得に集中しすぎないこと
独立後、資格取得のために膨大な時間を費やす人も少なくありません。確かに資格が役に立つこともありますが、資格を取得したからといって、それだけで顧客が増えるわけではないのです。
法律上、業務を遂行するために必要な資格がある場合は取得するべきですが、そうでない場合は、まず顧客獲得のための行動に集中するべきです。資格取得に時間をかけすぎるよりも、営業やネットワーキングを優先する方が、フリーランスとしての成功に近づくでしょう。
多くのシニアからセカンドキャリアに関する相談を受ける中で、「資格取得」について悩んでいるというお話がよくあります。 しかし、当たり前ですが、独立や転職には、資格が必ずしも成功への保証とはならず、実務経験やスキルが重要視される傾向にあ[…]
いきなり専門外の領域に挑戦すること
未経験の分野での独立は避けるべきです。例えば、実務経験なしでキャリアコンサルタントとして起業することは望ましくありません。
企業が外部人材に求めるのは、「その人が何をできるのか」という具体的な能力や実務経験です。そのため、企業ニーズと自身のスキルを合致させることが重要です。未知の領域に挑むより、得意分野で実績を積むことがフリーランスとしての成功につながります。
50代でフリーランスになるために使えるおすすめサービスは?
フリーランスとして独立を検討する際にどのようなサービスが効果的かについて解説します。
独立伴走アカデミー
このサービスは、独立支援を月額5万円から利用でき、独立後、初めての案件獲得までサポートします。独立への意欲はあるものの、具体的な手順に悩む方に適しています。経験豊富な講師が、事業計画の立案から顧客開拓まで伴走します。
最初の案件成立まで継続的にサポートを受けられるため、本格的な独立を目指す方に最適です。このサービスを利用することで、フリーランスとしての第一歩を確実に踏み出せます。
URL:https://beyond-age.net/media/lp-independence-support-academy/
ビザスク
ビザスクは、スポットコンサルティングを通じて、自分の専門性や強みを活かすことができるプラットフォームです。これまでの経歴やスキルをプロフィールに掲載し、困りごとを抱えるユーザーが投稿した募集に対して応募する形で案件を獲得します。
このサービスは、自分にどのようなスキルが求められているかを把握するのに非常に有効です。特に、特定の分野での専門知識や経験が豊富な方にとって、フリーランスとしての活動をスムーズにスタートするための強力なサポートとなります。
URL : https://visasq.co.jp/
LinkedInは、ビジネス特化型のSNSで、企業の採用担当者と直接交流することができます。
主な用途は転職や人材採用ですが、フリーランス案件の獲得にも活用できるでしょう。企業に業務委託の提案を行い、仕事を見つけることが可能です。
まとめ
フリーランスとして独立する際には、多くの不安を感じるものです。しかし、その不安を乗り越えるためには、行動を起こすことが唯一の解決策です。
小さな一歩でも踏み出すことで、新しい機会が広がり、独立への道が開けます。挑戦を恐れず、行動を重ねていくことが、フリーランスとして成功するための鍵となるでしょう。
独立したいが、何から始めていいのかわからない方は、BEYOND AGEまでお気軽にご連絡ください。