これまで1500名以上の50、60代の方からセカンドキャリアのご相談を受けてきましたが、独立のタイミングについての相談を受けることがよくありました。結論から申し上げると、シニアの独立のタイミングは「早ければ早いほどよい」というのが回答になります。
以下では具体的に独立はいつから検討すべきなのか、検討した際にはどのような準備から始めるべきかについて解説します。
50代以降、独立を検討している方はBEYOND AGEまでご相談ください
50代、60代が独立を検討する際に直面する状況について

役職定年後から60歳までの約5年間に悩む方が多い
「独立のベストなタイミングは〇〇歳だ」と一概にはいえず、年齢、現在のお仕事、ご家族の状況、また住宅ローンなどの事情によって変わってきます。
例えば、役職定年前と役職定年後でも状況が異なります。役職定年の年齢は企業によってバラバラですが、中央値は大体55歳ごろかと思います。役職定年前では、部長などの役職があり、バリバリ働いている現役なので、独立しようと悩んでいる方は少ない印象です。
一方で、役職定年後から60歳までの約5年間に、モヤモヤされている方は多くいらっしゃいます。
役職定年後は役職もなくなり、給料も劇的に低下。また部下もいなくなり、これまでの仕事に対する張り合いが一気になくなってしまいます。この状況に直面して精神的に落ち込んでしまう方、老け込んでしまう方も少なくありません。
また定年を迎えると給料はさらに下がるので、60歳前後のタイミングで、定年を迎えるまでにどうすればよいのか、と悩む方が多くいらっしゃいます。こういった背景もあり、弊社に独立の相談に来る方は50代後半から60代の方が非常に多くなっています。
独立前に確認することは「ご家族の状況」と「住宅ローンの残債」
独立に踏み出せない方の中には、まだ社会人になっていないお子さんがいらっしゃったり、住宅ローンが多く残っている方もいます。そのような状況ですと、定期的な収入がなくなることに対して抵抗感があり、独立に対する心理的ハードルも一気に上がります。その他、親の介護等の事情がある方も慎重になるケースもあります。
そのため、独立の相談に来られた方には、以下の2つについて聞くようにしています。
- ご家族の状況
- 住宅ローンの残債
この2つの目処がある程度たっていると、リスクを取りやすく、独立に踏み切りやすい状態にあると判断しております。
ただ、これらの2つのポイントをクリアできているにも関わらず、独立に踏み切れない方が多いのは、独立に対する漠然とした不安が大きいようです。
今でこそフリーランスは当たり前になってきましたが、50~60代の方々は独立に対するアレルギーや過度なリスクを感じる方が多くいらっしゃいます。転職でさえも一般的ではなかった時代の方々ですので、独立となると相当リスクが高い選択肢に映るのでしょう。
独立を検討する際によくある悩みが「個人事業主」と「法人」のどちらを選ぶかという問題です。 一般的に、多くの記事では税制面の観点から比較されることが多いですが、今回は「営業のしやすさ」の観点から「個人事業主」と「法人」の違いについて解[…]
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独立の成功要因と独立を考えるべきタイミングについて

独立が成功する要因は「体力、人脈、仕事に対する意欲」
独立が成功する大きな要因は、以下の3つが挙げられます。
- 体力
- 人脈
- 仕事に対する意欲
これらの3つの要素が独立において非常に重要であるため、「独立は早ければ早いほどよい」と伝えています。年齢を重ねるにつれて体力も落ちると思いますし、また人脈においてもホットな状態は短いからです。
上記を踏まえると、まだ体力や人脈がある50代の間に独立の準備を始めるべきといえます。社外の人との交流を増やして、退職前に社外の人脈づくりをやっておくべきでしょう。それが独立後の成功確率を上げる準備といえます。
「出世コースから外れたな」と感じたら、独立の検討を
独立を考えるべきタイミングは、「出世コースから外れたな」と感じたらすぐに行動を起こすべきといえます。
これは大企業固有の話ですが、社内人脈が出世に影響するため、出世の可能性がある人に関しては、外に目を向けることが難しい場合があります。しかし、出世コースから外れていると自覚している場合、社内ではなく、社外の人脈により目を向けるべきでしょう。
出世コースから外れたと判断できるタイミングは会社にもよりますが、大体40代~50代前半ぐらいだと思います。また、Beyond Ageに相談に来られる方は、「出世コースから外れたな」と自覚している方がほとんどです。
ここで伝えておきたいのは、出世コースから外れたからといって、その人自身に市場価値がない訳ではありません。その会社ではそのような評価だったかもしれませんが、社外に出て活躍されている方を何名も見てきています。
例えば、弊社のメディアを通じて取材した杉浦さんも、独立前の三井住友海上での最後の役職は「課長」でした。しかし、今は何十社と顧問契約を結ばれています。
独立を考えられている50、60代の方の中には、「独立しても顧客を見つけられるのだろうか」と不安に思う方も多いかと思います。 今回の取材では、独立後3ヶ月以内で30社と顧問契約を結ぶなど、普通では考えられない結果を出している杉浦さんに[…]
会社と社外の評価は異なるということをまずは認識していただきたいと思います。
そのような社外の価値を認識するためにも、社外で人と会うことに時間を使いましょう。社内の飲み会に時間を使うよりも、社外の人と飲む方がよっぽど有意義な時間の使い方になります。
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効果的な人脈形成について

「人と会うといっても、どうすればよいのか」と思う方もいますが、決して難しいことではありません。以下のポイントを意識しながら人脈形成に取り組みましょう。
- 同級生に会うことから始める
- Giveの精神で価値提供を常に意識する
それぞれについて以下で詳しく解説します。
同級生に会うことから始める
まずは、中学、高校、大学の同級生と飲みにいくだけでも良いのです。同級生もそれぞれ違う仕事をしているので、そういう方に「今どんな仕事やっているの?」と話してみることから始めてみましょう。
また特におすすめなのは、すでに独立している経営者の同級生と話してみることです。そこからその会社に採用されたり、仕事につながる可能性も十分にあります。
Giveの精神で価値提供を常に意識する
仕事をいただけるような人脈形成をどのようにすればよいのかをわからない方もいます。私自身も意識していることですが、仕事をいただく関係を作るためにも「自分を先に売らない」ことが大切です。基本的には相手の困りごとを聞き出すことに意識を向けてみましょう。ビジネスとは顧客の課題解決にあると考えるからです。
話の中で「今採用に困っているんだよね」と聞き出すことができれば、「それ私やりますよ」と引き受けましょう。自分でできなければ知り合いでできる人を紹介する。誤解を恐れずにいうと、Giveの精神で無償で手伝う勢いでやってみるのも良いでしょう。
最初は見返りを求めず、誰かの課題解決を手伝う、そうすることで「〇〇さんはこういうことができるんだな」と認識され、それがのちの仕事につながっていく可能性があるので、まずはそういうところから始めてみましょう。
先ほど紹介した杉浦さんも会社員時代から「人と人をつなげる」ことを社外でやられていましたが、当時は一切お金を貰わず、ほぼボランティアとしてやっておられました。
それが結果として独立後のお仕事につながっているので、まずはGiveの精神で動いてみてください。
人生100年時代、健康寿命が年々伸びていく中で、60歳を超えてもバリバリ働きたいと思っている方は多いのではないでしょうか。定年を気にせず働く上で独立という選択肢について検討している方も増えてきています。 しかし、長年サラリーマンとし[…]
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自分の強みは他人から見つけてもらうことが一番

「自分の強みがわからない」という方も多くいらっしゃいます。ストレングスファインダーのようなツールを使うことも効果的ですが、他人との会話を通じて見つけられることも多くあります。
強みは自分で考えていてもわからないことがあるので、誰かとディスカッションしながら、「自分の強みって何かな」と聞いて「〇〇ができるのはすごいよ」と言ってもらえることで、自分の強みを見つけることができます。
例えば、トヨタ社員が当たり前にやってきたことは、三菱商事の人からすれば「すごい!」と感じることがあります。「お互いの強みって何なんだろう」とディスカッションする時間を何回か重ねれば、「自分でも〇〇を強みにして独立できるかも」という自信につながると思います。
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独立時はトレンドのキャッチアップも重要

独立の準備をする際に、人と会う以外にやっておいた方が良いことは、トレンドのキャッチアップです。具体的には以下の二つを意識しながら取り組みましょう。
- 最新の技術やツールに常に触れておく
- 異業種で働く人や若い世代の人との関わりを持つ
それぞれについて詳しく解説します。
最新のツールやトレンドに常に触れておく
例えばChat GPTなどもそうですが、そういった最新のトレンドに常に触れておくことが重要です。
会社員の中には、ChatGPTとは何かについて、ざっくりわかる程度で終わっている方も多くいらっしゃるのではないのでしょうか。
多くの会社員は日経新聞を毎日読んでるので、ChatGPTの記事を見かけることはあると思いますが、実際に使ってみたり、有料プランの性能を試してみたりなど、そこまでやる人はすごく少ないと思います。
やはり、トレンドのキャッチアップは独立してからもずっと必要なのですが、日経新聞を読んでいても、自社に関する記事ばかり読んでいる会社員もたくさんいます。
そういう方は他の業界への興味があまりなかったり、他の業界のトレンドにキャッチアップできていなかったりするので、話題を振られたときに自分なりの意見が言えるぐらいの最低限の知識は必要でしょう。
異業種で働く人や若い世代の人との関わりを持つ
最先端の情報を知るだけではなく、異業種の人と関わったり、若い人と話したりなど、そういった経験も重要です。そのような経験を経て、自分が何も知らないことに気付いたり、新たな可能性を発見したりします。
そのため、これまで関わりのなかった業界の勉強会やスタートアップ系のイベントへの参加、「プロボノ」という社会人が仕事のスキルや経験を活かして社会貢献のために活動するボランティアなど、そういった経験を思い切ってやってみてはいかがでしょうか。
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独立の成功確率を上げるためにはとにかく行動あるのみ

会社で働いていると、仕事は勝手に舞い込んできますので、自ら仕事をとりに行く機会はそこまで多くはありません。また語弊があるかもしれませんが、営業をやられている方も、会社の看板で仕事がとれているケースも多くあります。
独立すると自分の看板だけで仕事をとる必要があるので、そこに対して不安を感じる方が多くいらっしゃいます。
どのように顧客獲得するかはBeyond Ageの独立伴走アカデミーでも伝えていますが、具体的にアドバイスしているのは以下の3つです。
- 名刺の整理
- 名刺の優先順位づけ
- 優先順位が高い方に連絡する
50、60代にもなると、名刺は数千枚はあると思います。名刺を全部リスト化し、その中でまず経営者から当たり、「ご無沙汰してます。〇〇株式会社を来年3月で退職する予定です。久しぶりに意見交換してくれませんか」と連絡すると、人間関係をしっかり築いてきた人であれば「あの時はお世話になりました」と会ってくれる可能性はあります。
実際に会うことができれば「御社で困ってることはありませんか」と聞いて、「それ手伝いたいです」と言えば仕事はとれる訳です。
ただこれを伝えても「本当にそれで仕事取れるんですか?」と言う方も多くいますが、実際に行動してみると、10件ぐらい仕事を取れる人もいますね。
独立後の成果は「できるか、できないか」ではなく、「やるか、やらないか」だけです。そんな単純なことですが、やらない方も多くいらっしゃいます。やらない方は「〇〇社で部長までやって、そこまでやりたくないよ」とおっしゃられます。厳しい言い方になりますが、そういった方は独立に向いていないと思います。それでも独立したいという方はまずは行動するべきです。ただ何から始めればよいかわからない方のためにも、Beyond Ageの独立伴走アカデミーでは1500名以上の独立を支援してきた弊社独自の独立成功のためのエッセンスを提供しております。シニアに経験やスキルを最大限活かしていただくため、伴走型でサポートしております。ご興味のある方はぜひお問合せください。
人生100年時代、50、60代はまだ働き盛りです。充実したセカンドキャリアを送りたい方は、まずは第一歩を踏み出してみましょう。