50、60代で独立する際に「資格」は本当に必要なのか?

多くのシニアからセカンドキャリアに関する相談を受ける中で、「資格取得」について悩んでいるというお話がよくあります。

しかし、当たり前ですが、独立や転職には、資格が必ずしも成功への保証とはならず、実務経験やスキルが重要視される傾向にあります。

今回は、50、60代の独立後の「資格」に対する考え方について解説したいと思います。

ネットに出回っている「50代で必要な資格〇〇選」は必須ではない

インターネット上で「50代で独立後に必要な資格〇〇選」といった見出しの記事を見かけますが、これらの情報はしばしば現実からかけ離れていることがあります。

例えば、キャリアコンサルタントや社会保険労務士のような資格は、実務経験がなければ、資格を持っていたとしても仕事には直結しません。

また、ファイナンシャル・プランナーなどの資格も、実際のビジネスにどれだけプラスになるかは議論の余地があります。

資格を取得する前に、それが実務でどれくらい使えるかについて、しっかりと考える必要があるでしょう。

特に、シニアの独立においては、資格よりもこれまでの経験やスキル、人脈の方が、武器になります。行政書士のような資格も、特定の仕事においては必要ですが、すべての方に必要なわけではありません。

独立を目指す方に対しては、まずは自身の強みや市場ニーズを理解し、実務経験を生かした目標や事業計画を立てることを推奨します。その上で資格取得が必要かどうか判断すればよいのです。

また、資格取得に関してはインターネット上の記事を鵜呑みにするのではなく、実際に独立した先輩や資格取得をした先輩からアドバイスをもらってください。

資格取得の落とし穴は資格取得自体が目的になってしまうこと

企業によっては社員の資格取得を推奨し、時には費用を補助することで資格取得を促すところがあります。このような環境では、資格取得自体が社内で評価されていました。

例えば、MBAや米国公認会計士などの資格を取得することで、同僚との競争で優位に立てるケースもあります。

実務での実力が同じであれば、資格を取得している社員の方が、分かりやすく評価しやすいからです。

加えて、日本企業の文化では努力自体が高く評価される傾向があり、資格取得に対する努力の過程も評価されているのでしょう。

こうした原体験から、独立後にまずは資格を取ろうと、資格を取ること自体を目的にしてしまうケースを多く聞きます。

「資格を持っているから仕事を依頼しよう」とはならない

ビジネスの世界において、資格を持っているからといって、その人に仕事が依頼されるとは限りません。ファイナンシャル・プランナーや社会保険労務士の資格を持っていても、その資格の有無が仕事に繋がる決定的な要因になることは稀でしょう。

例えば製造業の技術者でファイナンシャル・プランナーの資格を取ったばかりの方と、資格はないけれど金融機関でファイナンシャル・プランナー的な実務を30年間やられてきた方、どちらに相談しようと思いますか?実際のビジネスでは、資格よりも実務経験やその方との関係性や人間性、スキルが重要視されます。

繰り返しになりますが、資格はあくまでビジネススキルの一部であり、独立やキャリア形成においては、資格取得よりも大事なことが多くあります。優先順位付けが何より重要です。

資格の勉強をすることで現実逃避をしていないか?

資格の勉強に没頭することで、現実から逃避しているケースもしばしば見受けられます。特に独立を考える人の中には、「案件を獲得できない」など、直面する課題から逃れるために資格の勉強に時間を割くケースがあります。一般教養を学び直すために大学に行く方もいます。

仕事をしながら資格を取る場合は別ですが、仕事を疎かにして資格取得に注力するのは、本末転倒と言えます。

資格取得に多大な時間を費やす代わりに、培った人脈をつてに営業活動をするなど実務経験を積む方が、独立後のキャリアにおいてはより重要といえます。

書籍や人からのアドバイスが効果的

特定の分野、例えばIT知識を習得したい場合、資格を取得するよりも、関連する書籍を20冊ほど読んだり、その分野で働く専門家に直接ヒアリングする方が効率的です。

実際のビジネスや業務において役立つ知識やスキルを身に付けるのは、本を読んだり、実務経験を積むことでも十分可能なのです。

また、資格取得を検討する前に、その分野の専門家からのアドバイスを受けることで、何を学ぶべきか、どのように学ぶべきかについての明確な方針を立てることができます。

限られた時間を、是非有効に使ってください。

独立後の成功への道は、量をこなすこと

シニアの独立後の成功への道は、とにかく実務経験を積むことにあります。

法律上、資格取得が必要な場合は取得するべきですが、それ以外の場合、優先順位で上位に来るものではありません。資格取得より重要な活動に時間を割きましょう。

転職を検討している方は100〜200社への応募が必要なのが現実ですし、独立を検討している方は営業活動を行い、実際に仕事を一つずつ獲得することが成功への鍵です。資格を取ることで現実から逃避するのではなく、具体的なビジネス活動や実務に集中することが、独立後の成功につながります。

独立後、成功するためのポイントについて以下の記事にまとめているので、参考にしてみてください。

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まとめ

独立を目指すシニアにとって、資格取得は選択肢の1つに過ぎません。それより重要なことは、自身の強みや市場ニーズを理解し、実務経験を生かした目標や事業計画を立て、それを実行することでしょう。

資格取得は客観的なスキルの証明に有効であるものの、独立の成功において必須ではありません。資格至上の言説に惑わされず、自分で判断し、業界やビジネスの性質を考慮した上で資格の役割を理解することが大切です。

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これまで培った実務経験をもとに独立の一歩を踏み出してみましょう。もっと自分の経験やスキルに自信を持っていただきたいです。

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