50代で転職先がすぐ決まる人の特徴とは?

50代での転職は他の年代と比べて難易度が上がりますが、その中でも成功する人には共通する特徴があります。本記事では、50代で転職が決まりやすい人の特徴と成功確率を上げるための方法について解説します。

この記事の監修者

Talent Fine Tuning代表 髙松 健司
28年間にわたり人材の出口戦略、特に雇用調整および再就職支援を積む。これまでに約10,000人以上の方の再就職を支援してきた。希望退職、事業所閉鎖、事業譲渡時の社内コミュニケーションのアドバイザリーも担当。合併、工場・事業所閉鎖、事業譲渡、会社分割、事業清算など、多岐にわたるプロジェクトを成功に導く。また、企業内でのキャリア相談の経験も豊富で、これまでに約2,000人以上の対象者とのキャリア相談を実施している。転職8回、出戻り1回、一人称でシニアのキャリアを語れる68歳。現在、個人事業主(Talent Fine Tuning 代表)

50代で転職に成功しやすい人の3つの特徴

50代で転職の成功確率を上げるには、事前の準備や心構えが重要です。以下では、50代で転職に成功している人の特徴を3つ紹介します。

柔軟な考え方を持っている

50代で転職に成功している方の多くは、新しい活躍の場が出来る機会を志向して、処遇面より優先して、転職先を探しています。

要は、キャリアを積むにはステージ(場)が必要だという事を理解されておられます。

採用企業のニーズに自分を合わせるなど、柔軟な考え方を持つことで、転職の選択肢を増やすことができます。また、転職する際、条件をどこまで妥協できるのかを明確にした上で取り組むようにしましょう。

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広い人脈を持っている

転職先を見つける手段は、必ずしも転職サイトや転職エージェントだけではありません。知人から転職先を紹介され、そこから内定が決まることもあるため、自身のキャリアとは異なる幅広い人脈を持っていることが、50代の転職活動において有利になります。

しかし、この人脈も時間が経つとなくなる可能性があります。周りが引退したり、ポストオフ後に社内での権限がなくなったりすることもあるので、周りの知人が現役で働いているうちに行動するか、年齢が自分より10-15歳位、若い人脈も作ることをお勧めします。

また、現在社外に人脈がない方で「数年後に転職の可能性がある」という方は、すぐに社外で人脈を作る準備を始めましょう。人脈は一朝一夕では形成されるものではないので、継続した活動が必要になります。

社外の交流会に定期的に参加したり、Linkedin等に登録してネットワークを広げたりしましょう。

転職市場における自分の価値を理解している

自分の市場価値を過大評価せず、等身大の自分を客観視できる人は転職が決まりやすいです。

最初から理解していなくとも、転職活動を進める中で「自分はこれくらいの市場価値」と理解することで、採用企業の条件が合わずに転職に失敗するリスクを減らすことができます。

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50代で転職が難しい人は?

では、50代での転職が難しい人の特徴について解説します。

転職先に高待遇を要求する

高待遇にこだわる人は、転職の難易度が上がる可能性があります。55歳以降の転職では賃金が下がるというデータもあり、55歳で年収アップを狙ったり、前職と同じ賃金を維持したりすることは難しいといえます。

「大企業で部長職なのに、なぜ待遇が下がるのか」という悩みはよくあるものです。こうした疑問も無理はありませんが、企業側は成長余地のある若い労働力に投資したいと考えています。

50代で転職する際にはその状況を理解しつつ、どのレベルの待遇を受け入れられるかを見極めることが重要です

転職経験が少ない

転職経験が少ない、あるいは全くない場合、転職活動に苦労する傾向があります。以前は、転職経験がなく1社での経験が評価されることが一般的でした。しかし最近では、日本企業において1社だけの経験では多様性がないと判断されることが多くなっています。そのため、2-3社での経験があることを望む採用企業が増えてきました。

また、転職といっても、自分にあう企業選び、職務履歴書の作成、面接など、転職成功のためにすべきことは多岐に渡ります。初めてこれらをやると「広大な砂漠に立たされている」感覚になり、どこから手をつけてよいかわからないこともあります。

一方、転職を2、3回経験している方は、比較的次のステップにスムーズに進めるでしょう。

転職のやり方に慣れているだけでなく、転職活動を通じて自分にあう環境を見極めるスキルもついているのでしょう。

 
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そもそも、なぜ50代になると転職が厳しくなるのか?

50代になると転職が厳しくなる理由はいくつかあります。以下ではその理由について解説します。

年齢によるハードル

企業は若い人材を求める傾向があり、50代以上の社員の採用には慎重です。労働市場において50代は経験豊富である一方で、能力はピークを迎えつつあります。

そのため、企業の視点から見ると、60歳定年前の賞味期限間近より、成長余地が大きい若い労働力に投資したいと考えます。

また、一度雇用するとさまざまな制約があり、解雇は容易ではありません。そのため、50代を採用したものの、ミスマッチ時のリスクを懸念します。

このようなあらゆる背景から、50代の正社員採用に慎重な企業と、正社員としての雇用にこだわる求職者の間には大きな隔たりが存在し、これが50代の転職をさらに難しくする要因です。

限られた転職チャネル

50代になると転職チャネルが限られます。ハローワークや一般的な求人サイトに掲載される高年収の求人は少ない傾向にあります。

またシニア向けの転職サイトや人材エージェントもありますが、蓋を開けてみると、いわゆるオフィスワークは少なく、飲食店や福祉系、マンション管理がほとんどです。

また、人材紹介会社も若手の方が内定が決まりやすいため、採用企業には若手人材の紹介を優先する傾向があります。

その結果「複数社の転職サイト・エージェントに登録してみたものの、全く決まらない」と感じる方が非常に多いのです。

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50代で転職を成功させるための準備は?

50代での転職を成功させるためには、入念な準備が必要です。以下のポイントをおさえることで、転職活動をスムーズに進めることができます。

職務経歴書を1年に1回以上は更新すること

退職までにまだ時間の余裕がある方は、毎年1回以上は職務経歴書を更新する習慣をつけましょう。

また、単なる社内の移動の履歴ではなく、結果を出したパフォーマンスを書く習慣をつけましょう!

例えば、薬を買うとき、あなたは「原材料」で選びますか?それとも「効き目」で選びますか?多くの人は、成分の詳細よりも、その薬がどれだけ効果を発揮するかに注目するでしょう。

同じように、職務経歴書でも、ただの経歴ではなく、具体的な成果や実績を強調することが重要です。

この作業だけでも自身のスキルを見直す機会となり、自分のキャリアを客観的に捉えることができます。

さらに、更新した職務経歴書を転職サイトなどに登録し、どれほどスカウトが来るかを確認してみることをお勧めします。

職務経歴書を公開して労働市場の反応を確認することで、自分の実際の市場価値を把握できます。

企業の選定軸を柔軟に設定する

50代での転職を考える際には、成長段階にある企業への転職もキャリアアップの有効な手段となります。中小企業は常に人手不足の傾向があり、役職定年や再雇用の制度を設けていないケースが多いです。

大企業出身の方が転職先を探す際、大企業にこだわる方が多く見受けられますが、大企業は50、60代の社員には早期退職を促すことが多く、志望しても転職先が見つかりにくい現実があります。

仮に大企業に転職できたとしても、そこでも役職定年や定年退職、再雇用の問題に直面する可能性が高いです。

「年齢に関係なく活躍したい」と考える方には、中小企業への転職がおすすめです。中小企業の方が求人数が多く、成長段階にある企業に入ることで、将来のキャリアの選択肢も広がります。成長企業では、経験やスキルを活かしながら、企業とともに成長するチャンスが多く、50代でも新たなキャリアを築くことができます。

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再就職支援の活用

再就職支援を提供している企業があれば、そのサービスを積極的に利用しましょう。

再就職支援では、キャリアカウンセリングやスキルアップ研修が提供されるため、自分の強みを再確認し、それを活かせる業界や職種を見極めることができます。

また、再就職支援の担当カウンセラーが希望の条件に合った企業や、全く異なる視点での求人提案もしてくれるので、適切な求人に出会いやすくなります。

ただ、職業安定法施行規則4条の2第3項により、仕事を斡旋する事業者は、求職者からいかなる目的であれ報酬をもらってはいけないと定められています。

そのため、再就職支援サービスと個人との契約が出来ないので注意が必要です。

社外でのつながりを広げる

まだ退職までに時間がある方は積極的に人脈を広げ、ネットワークを築くことが重要です。交流イベントに参加することで、全く異なる業界や、価値観の異なる人とのつながりを強化できます。

その際に自分の経験などを伝え、認識してもらうことで、転職のチャンスが訪れる可能性があります。

セカンドキャリアの選択肢を広げるためにも、社外では「弱いつながり」を広く持つことが重要です。アメリカで発表された”Strength of Weak Ties”(弱い絆の強さ)という論文では、弱いつながりを持つことの重要性が強調されています。

これらのつながりを社外で構築することで、自分の市場価値の理解が深まり、キャリア開発や人脈形成、さらには収入の向上など、多くのメリットを享受できます。

50代で転職サイト・転職エージェントを使う際の注意点

50代での転職活動において、転職サイトや転職エージェントの利用は場合によって有効ですが、いくつかの注意点があります。

転職サイト・エージェントに登録したからといって転職先が見つかるわけではない

転職をする際、まず転職サイトやエージェントに登録する方が多いでしょう。しかし、ただ登録するだけでは希望の転職先が見つかるわけではありません。特にシニア向けの転職を謳っているサイトやエージェントであっても、実際に希望の職種が見つかるとは限りません。

また、若手人材の方が転職市場で有利とされています。そのため、50代の転職は特に主体的に動くことが求められます。自分から積極的に動き、行動量を確保することが重要です。

再就職支援と転職エージェントの違いを理解する

転職活動を進める上で、

  • 再就職支援、
  • 転職エージェント
  • プラットフォーム(indeed, Bizreach, Linkedinなど)

の違いを理解しておきましょう。

再就職支援会社は、企業からの依頼を受けて、その企業の社員の再就職を支援するBtoBのサービスです。求職者側に立って転職活動をサポートし、キャリアカウンセリングやスキルアップ研修を提供します。

対して、転職エージェントは採用企業側から報酬を得ているため、企業が求める人材を優先的に紹介します。50代の求職者にとっては再就職支援の方が適している場合があります。

そしてプラットフォームでは、求職者は自分の経歴やスキルを登録し、企業からのオファーを待つことができます。また、自分で求人情報や気になる企業の人事担当者を検索し、直接応募することも可能です。プラットフォームは、幅広い求人情報にアクセスできる点が強みで、自分のペースで能動的に転職活動を進めたい方に適しています。

状況にあわせてそれぞれの手段を使い分けるようにしましょう。

転職先が決まらない場合の他の選択肢とは?

どうしても転職先が決まらない場合は、個人事業主としての独立も検討しましょう。50代で転職のような「雇用契約」にこだわるということは、魚がほとんどいない池で釣りをしているようなものです。

しかし、転職市場から副業や業務委託への市場に切り替えることで、仕事を獲得できるチャンスが増える可能性があります。

以下の記事では50代で独立するための準備について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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